12幕
お疲れ様でした
よくここまで詰め込めたなあ、という感想の最終幕、全話数の中でも群を抜くとびきりの密度と怒涛の展開.
3期中後盤はそれなりに心折れて12幕も見るのに勇気が要ったけれども細かい点は思うことがあってもなんでもここまでの11幕の間でかき回されたものがだいたい回収されてよかったのかなあと……
要するに3ステージ体勢(team柊,A班,B班)で当日を迎え、このステージには結果的にかおうかいがみんなに候補の資質を見出すことで優遇に差がないことになり、みんなが候補として選抜される可能性がある状態に戻り、四季の脱退は書類破棄でなかったことになり、四季と冬沢は分かり合うことを目指して終わるって言う万事解決(?)!って終わった認識です……(いやでも冬沢くん…………)
万事解決というには万事解決???って思ってしまうしなんともこう主人公の活躍を描くための予定調和や終わりに向けて満を辞して冬沢が本編の言葉で言うなら暴走しましたみたいな感じは否めないのですが……展開を描こうとするあまりにキャラクターの動きに奥行きを感じ難いと思いつつ……
そしてみんなが華であり可能性を秘めているよということでのA班の燕尾かな……
11幕までという過程で抱いた雑感や、展開・やり口に対する疑念は12幕という結末とは別なところの問題だし手のひら返すことはできないけれども、ここまでこじれにこじらせを広げてきたものを、力技だったとしても誰か1人が糾弾されたり独善的な正義の元に何かが裁かれたりスポットライトの外で生きている人間をほっぽらかしたままにせずに最低限でも回収をしてのゴールで安心(?)しました.最後は笑えてよかった.
なんとなくこの12幕の無茶苦茶な各々の熱い意思が交錯しながら溢れる心象表現と力技でなんとしても良い方向に着地しようとするところは1期で惚れた疾走感だったなあなんて思いました.
NextStage,本当にみんなかおうかいになっちゃったのか(あながちありえなくない)と最初思って戸惑いながらインパクトの強さとむちゃくちゃ加減に大笑いしてしまったけれども彼らは”候補”であれは心象表現ってことなんですかね?
(映像見ていまいち分からないんだよね……我らかおうかい!って歌っているし全員が候補!のせりふで翌年まで時間が飛んだのかとも……)
華桜会は選ばれた5人であるという燕尾の重さからみればとんでもない描写とも思えるけれども先代たちはその高い格を守ること以上に魅力と実力を持って長きにわたり華であるようにと教え子たち思ってきたのかなあと思うとそういう”夢”をそういった形で現像するのもありだよねって思いました.
いや、でもそう捉えると画面と音声にいない候補生も半数近くいるぞという”製作上の都合”がまた見えてくるので3期くん……
成長や事象の変化を描くために設定や制度、伝統を限りなくフレキシブルなものとして扱うことは1期から承知していたけれども、描きたいものを描こうとすると設定と整合がとれない、どこか描写がうまく出来ずにB班のように物語の外に誰かを一時追いやってしまったり過去の設定や出来事に目を瞑ったりしなけばいけないところが多く出てきてしまったと全体に思います……
そしてその人物や設定や過去の出来事だったりは誰が大切にしてきたものだったりもするので……
正直なところもうこの世界にはついていけないやとも思わなくはなかったし、価値観と倫理観があわなくてストレスを感じたのも事実だけど、どういうことをやりたい・表現したいという点はなんとなくわかるし、嫌いかといわれると全部が全部合わないわけではないし、好きなところたくさんあるし、何よりたのしい思いもたくさんしてきたので緩くでもこの先も応援していけたらなあとおもいました.(細かいところに目くじら立てないようにね…)
でもひとまず本当4年近くも楽しませてくれてありがとうございましたという気持ち