池ちゃん化を恐れない#36。
※池ちゃんって?
邦キチ!映子さん Season7 第8話で部長と映子ちゃんが引くほどマシンガンうんちく評論語りをしたサブカル野郎(面倒くさい)のこと。
昨今では彼のような語りをすることを池ちゃん化と言うとか言わないとか。
▼テニスの王子様完全版 Season2 07~11
この完全版、各巻の箱のギミックが楽しいです。
これ見るためだけに全部買ってもいい。
個人的に08巻の綱渡りの表紙をめくると桃城海堂が見える視点になるのがすごく好きなんですけど言葉じゃ伝えらんねえや……買ってみてみてよ……
そしてなぜ07〜11かというとちょうど関東大会決勝がこの巻に入っているからです。
本当に毎回どの大会も試合が面白い漫画だけども特に関東決勝がめちゃくちゃ好き、D2からS1までのチーム戦全体の勝敗の付け方からそれぞれの試合の展開まで最高なんですよ……
ここから先は関東大会決勝戦のネタバレがあるのでネタバレしたくないよって人は見ないでね、後いつもより長いよ。
※以下公式Twitterが掲載している名場面を交えていくけど途中でこの企画の更新が止まってしまっているので最後は文字だけです。
▽D2 桃城海堂ペア vs 丸井桑原ペア
桃城と海堂のダブルスいいよね〜〜……
見た感じ熱血系に見える桃城がくせもので、一見読めなさそうな海堂がスネイク一本勝負なとこが……
粘り強さが持ち味で、最後まで絶対諦めないやつの”自分の上位存在が出てきた時にどうするか?”の話が面白くないわけないんだ……
ジャッカル先輩の涼しいドヤ顔とバックハンドでのスネイク返し。
きたねえバンダナだがねえよりマシかは個人的名シーンで完全版の背表紙でも再現されていてにっこりしましたね……
スタミナ自慢のガチンコ勝負と、相手のコンビネーションをいかに分断するか?の戦略的な戦いが共存する試合ってだけで面白いこと間違いないわけだけど、
まあ最後の桃城のダンクスマッシュがめちゃくちゃ熱い!
のに!!
海堂がジャッカルの動きを見抜いてスネイクを進化させて作ったチャンス、あの1球決まると思うじゃん?!?
“あのブン太が守備にっ?!”からの”いやちょっとデカすぎる アウトだ!”からの”向かい風”からの柳蓮二の「入る」ですよ……
ぎりぎりインした丸井の打球を桃城と海堂は意地で返すわけだけど、惜しいことにネットを超えられないんですよね……
向かい風は完全に立海サイドのラッキーだけども、ただこのネットした打球も立海側は丸井が爆速でネット前に戻ってきているので多分青学の得点になるボールじゃないんだろうなってところを含めてこんなに熱い最後の1球なかなかないですよ……
勝った側が追い詰められたような顔して終わるけどスコアは6-1で、パワーリストつけたままの相手に圧倒的な差をつけられた青学、忍足が「ストレートで負けるでぇ」とか言ってしまう。
(この試合、ちょいちょい柳蓮二出してくるところもうまいよな……
柳と乾先輩のS3は関東決勝のデカい山番なので「柳の言った通りいい打球打つじゃん」ってまだ試合に出てきてない柳のすごさを示唆してくるところ本当に抜かりない)
この後の試合は黄金ペアだからなんとかダブルスで一個取ってほしいし、ダブルス二つ負けるのはさすがにないでしょ……?って読者は思ってしまうわけですよ。
あとGenius198では幸村くんの病室が見られますね、曜日の書いてないカレンダーがめちゃくちゃ使いにくそうって話はいたる所でしています。(あとこれ多分04年のカレンダーです)
△絶対負けるな巻頭カラー!
▽D1 大石菊丸ペア vs 仁王柳生ペア
D2で熱血王道スポーツ漫画やってたと思ったら振り落とされんなよ!!って超変化球な試合をやり始めるテニスの王子様が好き。詐欺って……?
出鼻で菊丸の軽い脳震盪、その間の英二の回想がすごく好きなんだけど菊丸英二大丈夫か……?の気持ちが拭えないまま見せられるカラッとした青春の回想を一体どう味わえば……
そして何よりも大石の領域までのくだりが本当にいいのよ……
あのフォーメーション今使わないでいつ使うんだい?からのコートに入り柳生がサーブを構えるシーン、見開きまるまるセリフがないページの緊張感と次ページの「俺たちは勝つために来た!」「そう勝つしかないっしょ!」の引きが超〜〜〜ウマいの、漫画が上手い。
レーザーに触ることもできてませんよね?なんてレーザーを示唆しつつもドロップで落とすフェイクを入れてきたり一筋縄ではいかないなあと思わせつつも、これは青学いけるのでは?という雰囲気。
初期から全国レベルと言われていた黄金ペア、なにかと障害もありつつも2人で着実にステップアップしていく様が本当に良い。
「ドンマイ!次決めてこう!!」「オォー!!」
これはいける!いけるぞ青学黄金ペア!!ダブルス一個勝ってくれ!
・ ・ ・
「ゲームセット!ウォンバイ立海6-4!」
そんなことある?!?!
ここで読者は考える、青学の全国進出は決まっているのでこの決勝戦の勝利はマストではないということを。
なので立海には関東では負けるけど全国でまた試合をして、そこで勝利する展開も大いにあり得る。
いやむしろ全国で昨年王者にリベンジする、それがテンプレートなんじゃないかと。
▽S3 乾 vs 柳
この試合ほんと〜〜〜〜〜に名試合でしょうよ……
主人公や部長格どうしの試合ではなくて、データ型キャラどうし、こんなに熱い試合やる?やるんだなこれが……
そして越前でも手塚でも不二でもないシングルスで勝てるのか?これを落としたら後がないぞ……という不安もありつつ始まった試合、乾先輩強いじゃん!からのデータテニス崩壊のテンプレートよ……
データテニスを教えたのは誰だったかな!(データが通用しない?!)⇨データ捨てる⇨自分のプレイスタイルを捨てた者に勝利は無い! のこの一体どうすれば…?感がありつつも食いついていくデータを捨てた乾先輩のこの泥臭さ!さいごに海堂に粘りや精神力を学んだんでねって言うところもグッとくるんだ……
(そして新テニス6巻7巻のあくと兄さんに詰みをみてしまった柳に諦めるな、関東決勝の俺との試合をおもいだせっていうのがすごく熱いんだよ……
柳蓮二のこの貞治に何にも言わずに引っ越しちゃうとことか勝ち筋が見えなくて返せる球を諦めてしまうとことか突然白石に赤也任せちゃうとことか毛利先輩に絶許宣言しちゃうところとか頭いいのに頭いい故にたまに極端なことする独特な不器用さがさあ……)
話を戻すと試合も去ることながら越前の乾先輩頑張れ!!っていうシーンがめちゃくちゃ好き、主人公が先輩に頑張れ!!っていうだけでこんなに熱くなる漫画そうそうないのでは……?
レギュラーと乾先輩のあのサムアップのシーンもめっちゃ好きなんだ……個人戦の競技に滲む部活モノの良さよ……
テニプリ特有のタイブレーク、回想、そして落とすわけにはいかない!!のたたみかけ、漫画がうますぎる、作者天才なのでは?
そうして青学がやっと1つ勝ちをとって次に控えるのが不二と越前、もしかしたら勝てるのでは?という気配をみせつつ超大型ターニングポイントとして秀逸すぎるS3。最高すぎる。
(データを捨てたのにあの時と同じ試合展開になるように相手に打たせていたってどういうこと?とか考えちゃいけない、
きっとデータを捨てれば5-4に持っていくことができるかもしれないという計算が乾先輩には元々あったんだ……)
▽S2 不二vs 切原
“見えないのによくやるねぇ”
ほんとにな。
赤也のこの治安わる〜い感じがいいよな……
そして不二くん、気持ちの足りなさゆえに決め手に欠ける部分があるので怒るとめちゃくちゃ強いけど、今回は怒ってもいられないブラインドテニス。
(気持ちの部分についてはそれが明確に変わるのが白石戦なので、不二対白石が不二くんの試合の中でもかなり好きな試合なんだ……)
ヒザじゃなかった!ってヒザへのデッドボールを警戒した赤也ですけど、アニメでは越前の仕返しと言わんばかりにがっつり不二がボール当てているのでとても怖い。アニメ版の不二くんは原作より怖いと思ってる。
白鯨からの羆落としをサラッとやってのけながらの手塚との重めな回想が良くて、手塚の部を優勝に導く姿から、不二と青学の旗が結びつくのがうまい。決着が着いた後に目に飛び込んでくるのがこの旗なので。
そして部のために勝つことを意識しはじめた不二と、自分のために負けるわけにはいかない赤也の対比がすげ〜〜良いんだな……
勝つのはボクだ/俺だ! で決まるかと思いきやもう一波乱、
限界を越えるんじゃねーのか、からの無我の境地は主人公すぎるって、赤也。
真田のガットをちぎるグランドスマッシュで万事休すかと思いきや、目が見えてない人に対してフレームで返せと叫んでくれる主人公(映画で親父もやってたね)
種類の違う勝ちへの執着同士の気持ちvs気持ちで進みながらも、最後は無我の境地にフィジカルがついていけなかったって部分で勝敗がつくのが良いのよなあ。それを克服した時はどうなるんだろうて思うから。
そう、だからドイツ戦D1は勝ちへの執念でリターン返したり自分のためだけに戦えるから強くなれる(意訳)っていう幸村くんの評価とか、赤也の原点回帰とスタンスの再確認と成長があってこれもすごい良かったんだ……
▽S1 越前vs真田
得点決めてこんなガッツポーズする越前見たことある?
関東決勝の何がいいって主人公の越前が超いいのよ……
S3の頑張れ乾先輩!とか、S2の不二先輩フレームだ!とかもね……
(新テニスでもアメリカvsスペインでアメリカを応援する越前すごいよかったよなあ……)
あの生意気で先輩の試合中にも木陰でファンタ飲んじゃったりしてるような越前の、密かに持ってた熱い部分が垣間見えるから関東決勝好きなのよ……
4-1になるまで静かに無我の境地と越前の疲労度を観察してる真田はだいぶ静かですね……
風林火山の火が出た途端の高笑いと「絶望と共に散るがいい!」(悪い顔)の本領発揮感もう沸き立つしかない。そう、こういうつよ〜〜い敵が強い敵だぞ〜〜!!って描写何杯でもほしい。
火は風で返せる!っていうポケモンバトルみたいな攻略法を見つけて無我をもコントロールするとかいう越前の躍進、いつのまにか青学を支えていたよ、のコマの良さよ。
一方でガットを突き破る打球とかいう超次元テニス技を出してきたかと思ったら正確無比なトップスピンロブx3の突然のリアルテニスで流れを変えてくる真田も、もう何、勝負展開がうまいのなんのって。
マッチポイントに追い詰められるまで無我を温存していた真田と、越前の浅いスマッシュ、ボールが落ちる最後の最後まで勝敗が見えないこの数ページですよ、そりゃもうのめり込んでページめくりますよ……
S3の勝率は50%、どちらが勝つかわからなかった、S2は見えてなかったから勝てたのかもしれない、S1は一か八かのCOOLドライブ(未完成)に賭けて掴んだ勝ちってもう一度試合をしたらどうなるかわからない勝負でぎりぎりシングルス3つ取ってまさかの関東大会優勝、すげ〜〜よ青学!!!!!!
シンプルに読者目線で全国進出は決まってるしここは黒星をつけて全国大会でリベンジもあり得るよねって思っていたところからの拮抗した勝負が3連続、そして勝っていくっていうのが漫画的に超面白い関東決勝、名作です。
というわけでテニスの王子様関東大会決勝はめちゃくちゃおもしろい、是非原作を読んでよかったら全国決勝まで読んでそして全国決勝を読んだら絶対に新テニス30巻まで読んでよね
無印のラスボスは新テニスで作者にもう一つのテニプリと言われるくらいには主人公しているので無印最終巻は言い換えると新テニス0巻なので30巻まで読んでよねって言う誰に対してでもないお願いですね……